汗ができるしくみとは?

汗は、もともと体温調整の働きをするもので、人間にとっては必要不可欠の生理現象です。運動をすると汗がでますが、これは運動で高くなった体温を下げるために、汗を出して気化熱を奪い、一定の温度を保とうとするからです。

 

汗をかけと指令を出しているのは、脳からの命令で、交感神経を通して、汗を出す汗腺に届き、実際に汗が出てくるのです。このような体温調節のためにでる汗のことを、「温熱性発汗」といいます。この場合の汗は全身から出ますが、手のひらや足のうらから出る汗は、緊張した時などにでる汗で特定部位だけ多汗になるので、「精神性発汗」といいます。

 

「手に汗握る」といった表現がありますが、ハラハラドキドキといった緊張や恐怖をじたときに、手のひらや足のうらから汗をかきますよね。そして、全身にかくことはありません。つまり、暑くもないのにかく汗
が精神性発汗です。

 

精神性発汗の特徴は、交感神経が活発になっている昼間には手汗が多くなりますが、副交感神経が優位になる夜には手汗はでなくなりサラサラです。つまり、手のひらや足のうらにかく汗は精神性発汗で、全身にかく汗は温熱性発汗ということです。

 

手のひらや足のうらに限定して大量の汗をかく病気を「手掌足蹠多汗症」(しゅしょうそくせきたかんしょう)といい、特別な原因がなく起こることから「特定性手掌足蹠多汗症」と呼ばれています。
特定手掌足蹠多汗症でわかっていることは、一般の人と比べると交感神経の反応が強いことです

 

現代では手のひらの汗や足のうらの汗は、不必要なものになっていますが、大昔、槍を持って狩をしていた時代には、必要なものでした。もし、槍を持つ手が乾いていたら、すべってしまって遠くへ投げることはできません。足のうらが乾いていたら、走るときにすべってしまって早く走ることができません。

 

また、猛獣に襲われそうになったときは、一目散に逃げる体制を作らないと、食べられてしまします。瞬時に逃げるようにするには、交感神経を優位にさせて、体を機敏に動かせるため血液を足の筋肉の方へ送ります。その時体はどんな状態になるでしょうか。心臓の鼓動は早くなり、手のひらも足のうらも濡れてきます。

 

生き残るために発達した機能は、獲物を捕らえる必要も天敵に襲われることもなくなり、不要のものとなりました。